ヒレ酒(ひれ酒)に合う日本酒は?なんの魚?作り方やコツを紹介

ヒレ酒(ひれ酒)とは温めた日本酒に炙った魚のヒレを入れた日本酒の飲み方です。

一般的にはトラフグのヒレを使用しますが、エイヒレなど他の魚でも代用できます。

本記事では、ヒレ酒に合う日本酒や美味しい作り方をご紹介します。

 

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ヒレ酒に使われるヒレは、なんの魚?よく使われる魚を解説

ヒレ酒

ヒレ酒に使われるヒレは、一般的にはトラフグのヒレを指します。

しかし、トラフグ以外の魚でもヒレ酒を作ることは可能です。

以下では、ヒレ酒に使用する際におすすめの魚の種類や、ヒレ酒用のヒレの作り方をご紹介します。

ぜひご参考になさってください。

 

ヒレ酒を作る際に、おすすめの魚とは?

ヒレ酒のヒレ

ヒレ酒用のヒレといえば、エイヒレ・フカヒレ・鯛ヒレなど色々な種類がありますが、おすすめはやはりトラフグのヒレです。

高タンパクでアミノ酸含有量が多いとされるフグのヒレは、旨味が強く、香りや味が淡白なため、さまざまな日本酒に合いやすいとされています。

スーパーや通販サイトで販売されているヒレ酒用のヒレも、フグヒレが使用されることが多いです。

トラフグ以外におすすめなのは、フカヒレ。サメのコラーゲンが染み出すため、とろっとしたまろやかな味わいになり、フグのヒレ酒とはまた違った風味を楽しめるでしょう。

また、ヒレ酒とは少し異なりますが、イカで作った徳利に日本酒を入れて飲む「イカ徳利」などもあります。徳利として数回楽しんだ後に、火で炙ってあたりめとして食べることができる楽しい入れ物です。

お好みの魚を探してみるのも、ヒレ酒の楽しみ方のひとつです。

 

ヒレ酒用のヒレの作り方と注意点

ヒレ酒のヒレを干している板

居酒屋の厨房で、木の板に魚のヒレが張り付いているのを見たことがある人も多いでしょう。

ヒレ酒用のヒレは、魚のヒレを乾燥させて作ります。ここでは、ヒレ酒用のヒレの作り方をご紹介します。

まずヒレをよく洗い、塩でぬめりを取ったらヒレ部分を2枚に開きます。

次に、ヒレを木の板などに張り付ける、または竹串などに刺し、天日干しにして乾燥させます。生乾きだとヒレ酒にしたときに生臭さを感じる原因となりますので、しっかりと乾燥させましょう。

ヒレ酒用のヒレは、さまざまな魚のヒレで作ることができますが、フグを使用する際は注意が必要です。

フグの毒は主に内蔵にありますが、皮や筋肉に毒を持つものもあります。ヒレは皮の毒性に準じるので、皮を食用にできるフグ以外のヒレは使用できません。

必ず適切に調理されたものを購入するか、フグ調理師免許を所有している人から入手するようにしてください。

 

ヒレ酒の作り方を解説!家庭で作る際のポイントも紹介

ヒレ酒の作り方をご紹介します。

家庭で作る際のポイントも記載しているので、ぜひ試してみてください。

 

ヒレをじっくり炙る

ヒレ酒のヒレを炙る

まずはヒレを弱火でじっくりと炙ります。

表面全体がこんがりときつね色になるまで、しっかりと火を通しましょう。

表面にぷつぷつと気泡のようなものが現れるのを目安とすると分かりやすいです。

ガスコンロに網を乗せて炙るのが一般的ですが、魚焼きグリルやオーブントースターを使う方法もあります。

グリルやオーブントースターを使用する際は、アルミホイルの上にヒレを乗せてじっくりと焼きましょう。

とても手軽にできるので、家庭でヒレ酒を楽しみたい時におすすめの方法です。

 

日本酒を燗につける

次に日本酒を燗につけます。

一般的に「熱燗」というと50度前後を指しますが、ヒレ酒を作る際は80度前後を目安にしっかりと温めます。

湯煎で温度を測りながら丁寧に加熱するのがおすすめです。

 

熱燗にヒレを入れ、蓋をして蒸らす

ヒレ酒用に熱燗(燗酒)を作る

炙ったヒレを1〜2枚ほど温めた日本酒に浸し、蓋をして3分ほど蒸らしましょう。

ヒレの旨みや香りが染み出し、日本酒がほんのりと琥珀色に色づきます。

お店で飲む際は蓋つきの容器で提供されることがほとんどですが、自宅で楽しむ場合はアルミホイルや小皿などで代用可能です。

蒸らしたあとはヒレ酒の表面をサッと炙り、アルコールを飛ばしてマイルドな味わいにする楽しみ方もあります。

この時、火の付け方にはコツがあります。

蓋を全部開けるのではなく、少しずらして隙間からマッチやライターで火を付けてください。

熱々のヒレ酒の表面には気体化したアルコールがあるため、蓋を開けてからすぐですと火が付きますが、しばらく時間が経ってしまうと火は付きにくくなります。

慣れていない場合は、先にマッチなどを点火しておき、蓋を開けてすぐに火を近づけるとスムーズです。

表面に青白い炎が灯り、味だけでなく視覚的にも楽しめるのがヒレ酒の魅力。

火を付ける工程が好きで、ヒレ酒を飲む人も多いです。

炙ったあとは再度蓋をします。これは、炙ったことで生まれる香ばしい香りを逃がさないためです。

 

美味しいヒレ酒の作り方・コツとは?

ヒレ酒

ヒレ酒を作る際、丁寧に下準備をしないと生臭さが残ったり、魚の旨みが上手く引き出せなかったりと、失敗しやすくなります。

ですが、ポイントを押さえれば、香ばしく風味豊かなヒレ酒を楽しめるでしょう

美味しいヒレ酒を作るコツをご紹介しますので、ぜひ参考になさってください。

 

ヒレをしっかりと焼く

ヒレの焼き加減が不十分だと、ヒレ酒にしたときに生臭さが残ってしまいます。

しかし、焼きすぎて焦がしてしまうと苦みが出るため注意しましょう。

弱火でじっくりと、時間をかけて炙るのがポイントです。

 

通常の熱燗よりも、熱めの温度にする

日本酒をお猪口に注ぐ

通常の熱燗が50度前後なのに対し、ヒレ酒を作る際の日本酒は80度前後と、かなり熱めです。

ヒレには旨み成分であるアミノ酸が含まれており、これが日本酒に染み出す温度が70度以上とされています。

日本酒の温度が低いとヒレの旨みが十分に出ず、生臭さの原因にもなります。

美味しいヒレ酒を作れなくなってしまうので、しっかりと温めることを意識しましょう。

普通の熱燗よりもかなり熱いので、飲む際は火傷に注意して少しずつ召し上がってください。

 

飲む前に火をつけ、アルコールを飛ばす

ヒレ酒

飲む前にヒレ酒の表面をマッチやライターでサッと炙ります。

アルコールを飛ばすことによってマイルドな味わいに変化するため、お酒に強くない人やアルコールのツンとくる香りが苦手な人も飲みやすくなるでしょう。

また、ヒレの一部が火に触れて焦げることで、香ばしさが増すというメリットもあります。

表面を炙る工程は必須ではありませんが、好みに合わせて行ってみてください。

 

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ヒレ酒に合う日本酒とは?向いている種類を解説

ヒレ酒用に使用する日本酒の種類や銘柄には、特に決まりはありませんが、なるべくクセのないものを選ぶと美味しく仕上がります。

ヒレ酒を作るのに適した日本酒の種類をご紹介します。

 

燗酒にしても味わいが損なわれにくい「本醸造酒」

熱燗(燗酒)をお猪口に注ぐ

ヒレ酒は燗をつけて作るため、燗酒に適した日本酒を選ぶのがよいと考えられます。

燗酒に向いているとされているのが本醸造酒です。

本醸造酒は米・米麴のほかに醸造アルコールを添加して作られた日本酒のこと。

醸造アルコール自体がとても辛口なので、本醸造酒も淡麗辛口ですっきりとキレのある味わいとなり、炙ったヒレの香ばしい香りともよく合います。

温度を上げても味のバランスが崩れにくい点も、燗酒に向いているといえるでしょう。

 

温めると旨みが増す「純米酒」

米と日本酒

純米酒もヒレ酒と相性のよい日本酒です。

純米酒は米と米麴のみで作られた日本酒のこと。

まろやかな味わいで「日本酒の中でも特に純米酒が好き」という人も多いことでしょう。

米の香りがしっかりと感じられる純米酒は、温めることでより旨みが増し、ヒレ酒ともよく合います。

しかし、純米酒の中でも「吟醸」とつくものは、温度が上がると味わいのバランスが崩れやすいことから、燗酒にはあまり向いていないとされています。

また、火入れを行わない「生酒」や、搾った日本酒を水で割らない「原酒」も、同様の理由から燗酒には向かないので、購入時によく確認してみてください。

純米酒以外にも白鶴の「上撰」や「まる」といった普段の晩酌に使用している日本酒でも、燗酒にして美味しい日本酒はヒレ酒と相性が良いです。

ヒレを加えることで、いつもと同じお酒でも違った味わいになります。普段とは気分を変えてお酒を楽しみたいときに、ぜひ試してみてください。

 

さまざまなヒレ酒を家庭でも楽しもう

ここまで、ヒレ酒に使用される魚や飲み方、ご家庭での作り方などをご紹介しました。

ヒレ酒は魚や日本酒の種類など、何か1つ変えることによって全く違った味わいを楽しむことができます。

ぜひいろいろな組み合わせを試してお気に入りのヒレ酒を見つけてみてください。

白鶴オンラインショップでは本醸造酒や純米酒も豊富なラインナップで取り揃えております。

それらの日本酒を使ってご家庭でもヒレ酒作りに挑戦してみてください。

 

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