コラム

純米酒とはどんな日本酒?純米酒と純米吟醸酒の違いは?

純米酒とはどんな日本酒?純米酒と純米吟醸酒の違いは?

「純米酒」は日本酒の中でも「特定名称酒」に分類されます。 純米酒にはどのような特徴があり、「吟醸酒」や「本醸造酒」などと比べてどのような違いがあるのか気になる人も多いでしょう。 この記事では、純米酒にスポットを当てて、特徴や他の特定名称酒との違い、おすすめの飲み方などを解説します。   白鶴酒造オンライン編集部 白鶴酒造が運営する「白鶴オンラインショップ」の編集部。メンバーは研究開発と商品開発を経験した2名で構成。開発担当時に得た知識を活かして、日本酒のちょっとした知識や楽しみ方、季節にまつわる情報をご紹介します。「日本酒に興味はあるけれど、なんだか難しい~!」という声を少しでもなくすべく、分かりやすい情報を発信していきます!   「純米酒」の日本酒の中での位置付けは? 「純米酒」とは、日本酒を原料や造り方などによって種類分けしたうちのひとつです。 日本酒の中でもたくさんの種類がありますが、どのように種類分けされているのか、そして、その中で純米酒がどのような位置付けなのかを解説します。   日本酒の定義と種類 酒税法上では、米と米麹と水を発酵させてできた醪(もろみ)をこして造られるお酒を「清酒」と呼びます。 「日本酒」は、清酒の中でも原料である米・米麹に日本国内産米のみを使用し、日本国内で醸造したもののみを指します。 これは、国税庁の「地理的表示(GI)保護制度」で定められています。 そのため、海外産の米を原料に使用した清酒や海外で醸造した清酒は「日本酒」に含まれません。 ここでは「日本酒」を対象に、酒税法上の種類について説明していきます。 日本酒は大きく分けて「特定名称酒」と「普通酒」に分類されます。   特定名称酒 「特定名称酒」とは、原料や精米歩合、造り、できたお酒の香味・色沢など、一定の条件を満たした日本酒のことで、国税庁の「清酒の製法品質表示基準」で定められています。 主に、「純米酒」「吟醸酒」「本醸造酒」の3タイプに分けられ、その中でも一定の基準をもってさらに細かく枝分かれしていきます。 「純米酒」は、米・米麹・水のみを原料にして、醸造アルコールを添加することなく造られた日本酒で、香味や色沢が良好なものを指します。 「吟醸酒」は、精米歩合60%以下の米・米麹・水と原料米総重量の10%以下の醸造アルコールを原料とし、吟醸造りで醸された日本酒の中で、固有の香味や色沢が良いものであることが要件です。 「本醸造酒」は、精米歩合70%以下の米・米麹・水と原料米総重量の10%以下の醸造アルコールを原料にして造られた日本酒のうち、香味や色沢が良好なものとされています。 また、特定名称酒に分類されるためには、農産物検査法によって3等以上に格付けされた玄米またはこれに相当する玄米を精米した白米を使用しなくてはならない、麹米の使用割合(白米の重量に対する麹米の重量の割合)が15%以上でなくてはならないなどの規定もあります。   普通酒 特定名称酒に分類されない日本酒は「普通酒」と呼ばれます。 普通酒の中には、スーパーやコンビニエンスストアで紙パックで販売されているものや安い価格設定のものも多くあるため、手に取りやすく親しみやすいイメージがあります。...

日本酒スパークリングとはどんな日本酒?

日本酒スパークリングとはどんな日本酒?

今、日本酒スパークリングの人気が加速しています。 そんな人気の日本酒スパークリングをより楽しんでいただけるよう、特徴や製法、さらには美味しく飲むための保存方法や飲み方をご紹介します。   白鶴酒造オンライン編集部 白鶴酒造が運営する「白鶴オンラインショップ」の編集部。メンバーは研究開発と商品開発を経験した2名で構成。開発担当時に得た知識を活かして、日本酒のちょっとした知識や楽しみ方、季節にまつわる情報をご紹介します。「日本酒に興味はあるけれど、なんだか難しい~!」という声を少しでもなくすべく、分かりやすい情報を発信していきます!   日本酒スパークリングとはどんなお酒? 近年、日本酒スパークリングが人気を集め、幅広い層の人たちから支持されています。 日本酒スパークリングとはどんな日本酒なのか、まずは日本酒スパークリングの特徴や歴史を解説していきます。   特徴 日本酒スパークリングとは、発泡性の日本酒を指します。 シュワシュワとした飲み口が通常の日本酒と最も異なる点です。 日本酒スパークリングは甘口でフルーティーな味わいのものがメジャーで、アルコール度数が控えめなものも多いため、女性や日本酒初心者にも人気です。 辛口の本格的な味わいのものもあるので、さっぱりとした飲み口を楽しみたい人や日本酒らしさを堪能したい人からも好まれ、幅広い層の日本酒スパークリングファンがいます。 さらに、デザイン性の高いおしゃれなボトルや可愛らしいラベルのものが多いため、贈り物としても重宝されます。   歴史 人気の高まっている日本酒スパークリングですが、意外にも古くから存在していました。 しかし、製法が確立されておらず、安定したクオリティーの商品を供給することが難しかったため、長い間あまり認知されることはありませんでした。 それが、平成になり安定した製法が確立されると、おしゃれで飲みやすい日本酒として注目を集めるようになりました。 それから日本酒スパークリング人気は急上昇し、今では好きな日本酒ランキングの上位にランクインするほど人々に浸透しています。   日本酒スパークリングの作り方は? 日本酒スパークリング人気の背景には安定した製法の確立がありました。 ここからは、日本酒スパークリングがどのように製造されているのか、造り方の種類とそれぞれの特徴をご紹介します。   瓶内二次発酵方式 瓶内二次発酵方式とは、できあがった日本酒に後から醪(もろみ)や酵母、糖などを加えることで二次発酵を促し、発酵の過程で生じた炭酸ガスを瓶の中に閉じ込める方式です。 この造り方はシャンパンの製法と同じで、きめ細かくまろやかな炭酸が特徴です。...

日本酒の造り方(作り方)とは?製造工程や醸造法を解説

日本酒の造り方(作り方)とは?製造工程や醸造法を解説

日本酒の造り方(作り方)をご存知でしょうか? 日本酒はお米・麹・水を原材料に、日本特有の伝統的な製法で造られる醸造酒。 近年では若年層にも親しまれ、日本酒ブームが訪れるなど人気が高まっています。 本記事では日本酒を造る(作る)工程や醸造法などを解説しているので、ぜひ最後までご覧ください。   白鶴酒造オンライン編集部 白鶴酒造が運営する「白鶴オンラインショップ」の編集部。メンバーは研究開発と商品開発を経験した2名で構成。開発担当時に得た知識を活かして、日本酒のちょっとした知識や楽しみ方、季節にまつわる情報をご紹介します。「日本酒に興味はあるけれど、なんだか難しい~!」という声を少しでもなくすべく、分かりやすい情報を発信していきます!   日本酒を"つくる"という場合に使用する漢字は、「作る」ではなく「造る」が正しい表記です。 「造る」は工業的に製造する場合など規模が大きいものに、「作る」は抽象的なものを作る場合や規模が小さいものに用いられます。 日本酒は酒造会社でしか造ることができないため、前者の「造る」を使用します。 本記事では、一般的にインターネットでは「作る」で検索されることが多いため、あえて「造る(作る)」と併記しています。   日本酒の造り方(作り方)や製造工程を解説 日本酒の造り方(作り方)についてご紹介します。 原材料であるお米と水が日本酒になるまでにはさまざまな工程があり、時間をかけて丁寧に造りあげられます。 ここでは、それぞれの工程を詳しく解説します。   精米 日本酒造りの一番最初の工程は「精米」です。 精米とは、玄米の外側の茶色い部分を削って白米にすることを指します。 玄米の外側にはタンパク質・脂肪・無機質・ビタミンが多く含まれています。これらが多すぎると日本酒の雑味成分となり、酒質劣化の原因となるのです。 そのため、酒造用の白米は主食用の白米よりもたくさん削る必要があります。 玄米をどのくらい磨いたのかを表す数字が「精米歩合」です。 精米歩合60%と記載されている日本酒は、お米の表面の40%を削っているということを表します。 日本酒の種類によって精米歩合が異なり、吟醸酒では精米歩合60%以下、大吟醸酒では精米歩合50%以下のお米を使用しています。   洗米、浸漬(しんせき) 精米したお米を洗う作業が「洗米」です。 お米の表面には精米した際の糠(ぬか)が付着しているため、水でこれらを洗い流します。...

日本酒には賞味期限がない?未開封(未開栓)と開封後(開栓後)の違いや保存方法を解説

日本酒には賞味期限がない?未開封(未開栓)と開封後(開栓後)の違いや保存方法を解説

多くの日本酒には賞味期限の記載がないので、日本酒の賞味期限が気になる人もいるでしょう。 日本酒に賞味期限の表示がない理由や飲み頃時期を解説し、開封(開栓)から最後の一滴まで日本酒を楽しむ方法をご紹介します。   白鶴酒造オンライン編集部 白鶴酒造が運営する「白鶴オンラインショップ」の編集部。メンバーは研究開発と商品開発を経験した2名で構成。開発担当時に得た知識を活かして、日本酒のちょっとした知識や楽しみ方、季節にまつわる情報をご紹介します。「日本酒に興味はあるけれど、なんだか難しい~!」という声を少しでもなくすべく、分かりやすい情報を発信していきます!   日本酒には賞味期限の記載がない? 食品の賞味期限が気になる人も多いと思いますが、日本酒のラベルや容器を見てみると、賞味期限の記載がないことがわかります。 代わりに製造年月の記載が見られます。   日本酒に賞味期限の表示がない理由は? 食品の表示については食品表示法に規定されており、多くの食品には賞味期限の表示義務がありますが、日本酒をはじめ、ワインやウイスキーなどのアルコール度数の高い酒類は賞味期限を表示しなくてもよいことになっています。 つまり、賞味期限切れという概念がありません。 日本酒に賞味期限の表示義務がない理由は、日本酒が長期保存可能な食品であるためです。 比較的アルコール度数の高いお酒である日本酒は、アルコールの殺菌作用により腐敗が進みにくい傾向があります。 日本酒は2年、3年と月日が経つと味や香りは変化しますが、腐って人の体を害することがないため、何年も貯蔵した日本酒を「熟成酒」として好んで飲む人もいます。 しかし、時間の経過とともにお酒の品質は変化するため、製造年月の記載が酒税法によって義務付けられています。   日本酒に書いてある製造年月とは? 賞味期限に代わって日本酒のラベルに表示されている製造年月は、日本酒を容器に詰めた時期を示しています。 日本酒は元来、搾ったお酒を数ヶ月間タンク内で寝かせることで味がまろやかになると言われており、数ヶ月間貯蔵した後に容器に詰めて出荷するのが主流です。 貯蔵期間はメーカーや商品によって異なってくるため、日本酒の製造年月はお酒を搾った日ではなく、いつ容器に詰めたかが記載されています。 そのため、表記された製造年月が近いからといってできたてのお酒であるとは限りません。   日本酒を美味しく飲める期間は開封(開栓)前後で変わる!飲み頃は? 日本酒に賞味期限がないとはいえ、時間の経過にともなって中身は徐々に変化します。 日本酒の種類や製法によって変化の度合いが異なることから、美味しく飲める期間の目安として「飲み頃期間」を独自に設定している日本酒メーカーもあります。 また、開封(開栓)しているかどうかや保存条件などによっても変化の度合いは異なってきます。 ここからは、日本酒の種類や条件別に飲み頃期間の目安をご紹介します。  ...

日本酒の種類は何がある?初心者の方におすすめのお酒も紹介

日本酒の種類は何がある?初心者の方におすすめのお酒も紹介

日本酒を選ぶ際に、聞いたことのある銘柄を購入しても、飲んでみたら想像していた味と違ったなんてことも少なくないはずです。 ひとくちに「日本酒」といっても原材料や使用するお米の削り具合などによって複数の種類に分類されます。 種類が分かれば、ラベルから好みの日本酒を選べるようになるでしょう。ぜひ今回の記事を読んで、今後の日本酒選びに役立ててください。   白鶴酒造オンライン編集部 白鶴酒造が運営する「白鶴オンラインショップ」の編集部。メンバーは研究開発と商品開発を経験した2名で構成。開発担当時に得た知識を活かして、日本酒のちょっとした知識や楽しみ方、季節にまつわる情報をご紹介します。「日本酒に興味はあるけれど、なんだか難しい~!」という声を少しでもなくすべく、分かりやすい情報を発信していきます!   日本酒の種類 日本酒は使用する原材料や製造方法によって「特定名称酒」と「普通酒」の2種類に分類されます。 それぞれの違いについて解説していきます。   特定名称酒 使用する原材料や精米歩合、造り、できたお酒の香味・色沢など、一定の条件を満たした日本酒のことを特定名称酒と言います。   精米歩合とは 精米歩合とは、原材料の米をどれだけ磨いたかを表す数値のことです。 例えば「精米歩合60%」と記載されている日本酒は、元の米を40%磨いて60%が残った状態を表します。 精米歩合の数値が低いほど、より磨かれた米を利用しており、雑味が少なく飲みやすいのが特徴です。 食用の米の精米歩合は一般的に90%ほどで、日本酒に比べて磨いている量は少ない傾向にあります。 日本酒に使用する米を多く磨く理由は、外側に含まれるたんぱく質や脂肪などを削るためです。 雑味の原因になる成分が取り除かれるので、磨くほど香りや成分が際立ちます。   普通酒 特定名称酒以外の日本酒を「普通酒」と呼びます。 原材料や精米歩合に決まりがないため、比較的リーズナブルな値段で販売されているのが特徴です。   特定名称酒とは?種類の見分け方 特定名称酒のなかでも、原材料や精米歩合によって種類が分かれます。 米と米麹のみが原材料のものや醸造アルコールを加えたもの、さらに精米歩合によって6つに分類されます。 ここでは「米と米麹が原材料の日本酒」と「米と米麹、醸造アルコールが原材料の日本酒」に分けて解説していきます。...

日本酒度とは辛口・甘口の目安になるもの!マイナスは甘口、プラスは辛口?

日本酒度とは辛口・甘口の目安になるもの!マイナスは甘口、プラスは辛口?

日本酒度とは、水に対する日本酒の比重を表した数値です。 一般的にマイナスの数字が大きいと甘口に、プラスの数字が大きいと辛口に感じるとされています。 そのほかに日本酒の味わいの決め手になるものもご紹介します。 日本酒度はラベルに書いてあることもあるのでこの記事を読んで理解し、ぜひ好みの日本酒を探してみてください。   白鶴酒造オンライン編集部 白鶴酒造が運営する「白鶴オンラインショップ」の編集部。メンバーは研究開発と商品開発を経験した2名で構成。開発担当時に得た知識を活かして、日本酒のちょっとした知識や楽しみ方、季節にまつわる情報をご紹介します。「日本酒に興味はあるけれど、なんだか難しい~!」という声を少しでもなくすべく、分かりやすい情報を発信していきます!   日本酒度が甘口・辛口の目安となる? 日本酒度は「甘さ」「辛さ」の指標のひとつで、日本酒に含まれる糖度を数値化したものです。 測定の基準となるのは日本酒の比重。 比重=1となる4℃の水を基準とし、15℃の日本酒の比重を測定します。 日本酒に含まれる糖分が多いと、比重が1より大きくなります。 比重が大きいものは、日本酒度ではー(マイナス)の値になるため、日本酒が水より重い場合はマイナス=甘口、軽い場合はプラス=辛口と判断します。 商品によって日本酒度はさまざまですが、一般的には0.0~+5.0のものが多いです。   日本酒度の読み方 日本酒度は、瓶に貼られているラベルや酒造会社の公式HPなどに記載されています。 一般的にマイナスの数字が大きいほど甘口に、プラスの数値が大きいほど辛口とされています。 ただし、実際には日本酒中の酸の量によっても甘辛の感じ方が違うため、決定的なものではありません。 しかし一定の目安となるため、読み方を把握しておくと好みのお酒を選びやすくなるでしょう。   日本酒度の計算式 日本酒度は、計算式によって算出することができます。 日本酒度=(1/比重 -1)×1443 比重を計算する際にボーメ度を使用する場合は、日本酒度=(-10)× ボーメ度となります。 日本酒度が-30より小さい、つまり比重が大きい場合は日本酒度を使わずにボーメ度を使うこともありますが、他の商品と比べやすくするために日本酒度で表示されていることが多いです。  ...